ジブリ映画「ハウルの動く城」
最後のシーンで意識を取り戻し「体が石みたいだ」と言ったハウルに対して、ソフィーが「そうなの、心って重いの」と返すんですね。
最近このセリフが身に染みるなぁと、しみじみ
自由に生きるために犠牲にしたもの

ハウルは師匠である魔女の”サリマン”から逃げ、自由に生きるために複数の偽名を使い、家も特定されないように移動式にして生活しています。
悪魔のカルシファーと契約し、心も手放してしまうんですね。美しい見た目と便利な魔法の代償に支払ったものは大きい。
ハウルは空中を歩く魔法が使えますが、なんとなく、地に足がつかなくてフワフワと漂っているようにも見えます。
物語前半のハウルは、自分を守るスキルとして魔法を使っているんですね。
そうなの、心って重いの

意識不明になったハウルを助けるために、ソフィーはカルシファーを体内に戻します。(カルシファーはハウルの心)
目覚めたハウルは驚きながら「体が石みたいだ!」と言うんですね。そこでソフィーが声を弾ませながら「そうなの、心って重いの」と返すわけです。
これまで、なんとなく聞き流して

良いセリフだなぁ
と思っていた私ですが。
最近、心を体感すると地に足つく感覚があるのかも…と思う経験があって、「心は重い」というソフィーの言葉がよく頭に浮かびます。
心は体の感覚を伴う
「心は重い」というのは、体の感覚を伴うという意味だと思うんですね。
意識を地上におろして体に根差すことをグラウンディングと言います。頭でグルグル考えたり、外側に意識が向いてばかりだと、心と体が乖離(かいり)して、現実感がなくフワフワした感じになります。
心とは気持ちですよね。ハウルの場合は、守りたい家族ができて、魔法のスキルを建設的に使うことを覚えた。
覚悟、信頼、愛情、といった気持ちを学んだわけです。
そこでソフィーの手によって心を取り戻したとき、体の感覚も戻ってきた。
心を使うと、心臓がドキドキしたり、ギュッと締め付けられる感覚があったり、肩に力が入ったり、深く呼吸ができたり。体の感覚とも連動しているんですよね。
ソフィーの「心って重いの」という短いセリフは、とても大事なことを教えてくれていると、改めて気づいた今日この頃です。
画像:スタジオジブリ