【摂食障害体験記】過食症と戦った8年から学んだこと

注意

この記事には摂食障害の話が出てきます。

過食衝動は関連する文章を読んだだけで誘発されることもあるそうです。閲覧には十分注意してください。

摂食障害の正しい情報は、精神科医の水島広子先生のサイトがオススメです。


こんにちは、ももかです。@momohsphss

これは私の過食症体験記です。

相談を受け始めたときから、むちゃ食いに関するメッセージが数件あったんですね。

過食症克服の経過をブログで公開していたので、共感してくれた人がメッセージを送ってきてくれたんです。

当時は、話を聞くだけで、ぶり返してしまって。スキルもなくサポートも難しいと感じていて、過食に関する相談は断っていました。これは「まだタイミングではないな」と。

なので話題に出すこともなかった。

いま、寛解して3年経ち。

自分の傷を癒すためではなく、悩んでいる人のために話ができると思ったので、体験談を作ることにしました。

これから私が話すのは、むちゃ食いを止める方法ではありません。

理想の体型を手に入れる方法でもありません。健康的に食べる方法でもありません。

  • なぜ、むちゃ食いがやめられなかったのか?
  • どんな経緯で悪化したのか?
  • 頭のなかで考えていたことは?

こうしたエピソードを通して、当時の体験を振り返るものです。

そして、

  • 自覚したきっかけ
  • 具体的に取り組んだこと
  • 現在の状態

など。

この体験からの学びや気づきをお伝えします。

摂食障害は、なによりも自覚することが大事だと言われています。ここが1番のキモであり、難所でもあります。

私の話が、あなたの気づきにつながったら嬉しいです。

私は非嘔吐過食だったので、嘔吐の描写は出てきません。

メインブログではサクッと写真付きでお話しているので、「長すぎて読めん!」っていう人は、こちらをどうぞ↓

目次

食べることが頭から離れない

過食の場合、見た目で精神的な苦しみが伝わらないんですね。本人も「食べるのが好きなだけ」と思って自覚していない可能性もあります。

それゆえ、知らないうちに問題が大きくなって手に負えなくなっているのに、だれにも助けを求められない。

心は引き裂かれそうなくらい追い詰められているのに、健康診断では「気をつけましょうね」と言われて終わる。

むしろ痩せたい衝動もあるから、BMIは標準もしくはそれ以下かもしれません。

何度もダイエットをくり返し、いつも食べることが頭から離れず、すれ違う人の体型をチェックしては自分と比較して一喜一憂する。

つらいよね。

でも「つらい」という感覚さえ麻痺しているかもしれません。

どこか遠くの方で助けを求める声がしているけど、助けが必要だと心の底から認めているかと言われると…

もっとひどい人がいる

私は軽い方

吐いてないから

下剤使ってないから

私は食べるのが好きなだけ

健康診断の数値は正常だから

食べないときもある

少量で済むときもある

仕事も毎日行ける

人前では普通に食べられる

毎日ってわけじゃないから

だから私は平気。だから私は違う。

平気…だけど。あの人とは違う…と思うけど。

食べる楽しみ?

満足感?

満腹感?

それって、どんな感覚?

どれだけ食べても、お腹がいっぱいになった感じがしない。

体に物がギュウギュウに詰まっているけど、全然食べた気がしない。

食べすぎた私を消し去りたくて、なかったことにしたくて、許せなくて。リセットするために、ダイエットを始める。

太った私は、私じゃない。

ベストな体型じゃないと外出したくない。

友だちに「体型?普通じゃない?」って言われたけど、私を太らせて自分の可愛さを引き立たせたいんだ。信じちゃいけない。

母親は私の気持ちを無視して、いつも大量の食べ物を用意する。どうせ私のことなんて考えてない、自分のことばっかり。私は愛されていないんだ。

別にいい。頼らない。どうにかして欲しいなんて思わない。

食べなければ痩せる…食べなければ…食べちゃいけないのに!!!!!

どうやったら理想の食事ができるだろう?

私はどんな食べ方を望んでいるんだろう?

私にあった食べ方って、どんなだろう?

炭水化物は、どれくらい食べる?

夜はどうする?野菜は?

息抜きも必要だから、自分を喜ばせるティータイムを作ろう!

可愛い食器とお気に入りの紅茶を用意して。

健康的に痩せなきゃ意味ないよね。

ちゃんと食べたいものを食べて、運動もして、痩せて可愛くなるんだ。

そうやって、毎日ちゃんと食べたいのに。食べなきゃいけないのに!

スイッチが入ると「食べなきゃ!」という声が脳内を埋め尽くして、ほかのことを考えられない。

食べ過ぎたあと、なかったことにしたくて、一切食べなくなる。

よかった、体重増えてない。

ここまで書いたことは、過食症状がピークのとき、私が考えていたことです。まさか自分が摂食障害だとは思っていませんでした。

ダイエットを始めたきっかけ

小学生のころから体型には自信がなくて、バレーボールで鍛えられてムチムチになった太ももにコンプレックスがありました。

卒アルとか封印したいもんね。

かといって、意識するのは写真を見たときとプールに入るときくらいで、可愛くなりたい願望はそれほど強くなかったです。

はじめてのダイエットは、高校生のとき。

友達がダイエットを始めたのを知って、食べることを意識するようになりました。

いつも一緒にお弁当を食べている子がやせ型で、リスみたいに、ずーっとモグモグしているんですね。

「少しずつ食べれば、あの子みたいな体型になれるのかな?」と思ったけど。

そこまでストイックになれず、雰囲気を楽しんでいる感じだったので、あまり成果も出ませんでした。だけど、相変わらずポッチャリ体型はコンプレックス。

食べなければ痩せるんだ!

体重を減らす快感を覚えたのは大学生のとき。

週末プチ断食が流行っていて、軽い気持ちで試したんですね。1日固形物を摂らず、野菜ジュースだけで過ごす。

いま振り返ると、このときにスルっと2kgくらい体重が減ったことで「食べなければ痩せるんだ」と学んだ気がします。

同じ時期にアパレル販売のアルバイトもしていて、まったく興味のなかったファッションの世界に入り、見た目を整えることも覚えました。

大学を卒業したら販売の仕事に就こうと考え、とりあえず経験してみよう!となり。

ファッションには興味がなかったけど、たまたまアルバイトを募集していた量販店で面接を受けたら採用されたんです。

実際に始めたら販売の仕事が楽しくて、単価の高いお店で働くことを夢見るようになりました。

「お出口まで、お持ちしますね」と言って商品を持っていき、お見送りをする姿に憧れたんですね~。

カッコイイ。やりたい。

大学2年生になると、某ブランドで学生アルバイトとして働き始めました。

可愛くないと評価されない

夢見ていたショップ店員の世界。はじめて店頭に立ったとき、鏡の多さに震えました。

朝の掃除では必ず鏡を拭くし、接客しないときも、店内ではどこでも鏡に映った自分が見えます。

ファッションビルや百貨店で買い物した人は、接客の様子がわかるかと思いますが。

高単価の商品を扱うブランド店では、入店したお客様にお声がけし、「よかったら合わせてみてください」と言って、鏡の前に誘導し、コーディネートを紹介します。

このとき、イヤでも自分の顔や体が目に入るんです。

慣れないうちは、もう、地獄でしたよ…

何より先輩たち、みんな細くて可愛い。

当たり前だけど他店のスタッフも可愛くておしゃれ。休憩室でも、みんなキラキラしていて華やか。

そんな世界に踏み込んだので、私はファッションやメイクに力を入れるようになり、どんどん見た目に拘るようになっていきました。

可愛くないと評価されない

そんな価値観が刷り込まれたのも、この時期です。

食べて気分転換と心のザワザワ

ショップ店員の仕事は楽しくて充実しているんですが、バイトでも個人予算があるし、当日の売上0円は回避しないといけない雰囲気があります。

ペナルティは受けないけど、退勤時に店長と1対1で反省会をするんですね。

接客は楽しいけど、疲れてテンション上がらないときもあるし、売上が少ないと焦るし、先輩たちの目も気になります。

ある日、夕方になっても売り上げが立たない私に対して、店長が「炭酸飲むとシャキッとするよ!」とアドバイスをくれたんです。

「なるほど!先輩が言うなら試してみよう!」

と思った私は、普段はあまり飲まない炭酸ジュースを飲んだんですね。

ぉぉぉおおおおおお!!!!!いえーーい!!

なんか頭がスッキリして、テンション上がるじゃないか!

そんな感じで、お店に戻るとウソみたいに元気が出て接客の調子も上がり、無事に売ることができたのです!

その日から、

なんとなく頭に霧がかかっているとき

売上が悪いとき

疲れてテンション低い自分を見せたくないとき

休憩中にコンビニに寄ってスイーツやチョコを買い、頭の冴える感覚を求めるようになりました。

なんでもっと頑張らないの?

体型のことも気になって。

なにかで目にした【吐いてリセットする方法】にトライしたけど、何度かやって、やめました。

販売の成績も良かったので、全能感をもっていたんでしょうね。

相変わらず写真は苦手だったけど、それ以外は「私イケてる!」と思っていた時期です。

学校の勉強も順調で、趣味もバイトも楽しくて、すべて上手くいっていると思ったし、やりたいこともやっていたけど。

当時、友達からもらった手紙には「自分にも他人にも厳しい」と書いてあって、ストイックすぎたのかもしれません。

友達の言動がとても気になって、上から目線でアドバイスせずにはいられない。

イヤな気分にさせようと故意に振舞っているわけじゃなく、人の話を聞くと、なぜか心がザワつくんです。

直接言葉にしないけど、

なんでもっと頑張らないの?

怠けてないで動きなよ

私が正しいんだよ

こうした気持ちが会話に滲み出ていたと思う。

そうやって喋っているとき。いま振り返ると、ちょっぴり自分自身を嫌いになるんですよね。

でも認められなかった。

過食症が悪化した時期

症状が悪化したのは、社会人になって一人暮らしを始めたとき。

やる気満々で営業の仕事をはじめたけど、実際やってみると全然売れないんですね。

入社から3か月はテレアポ研修で、1日200件を目標に、もらったリストへ電話をかけます。

その後も、習うより慣れろの精神で、とにかく訪問件数と受注数を求められる毎日。

なにかと順位をつけられ、○○ダービーと銘打って競走馬のように部署内に公表され、いつも底辺だった私の心はすり減っていきました。(ゴリゴリの体育会系営業会社って、そんなもんです。たぶん)

次第に私の心は壊れはじめ、ぼーっとすることが多くなり、仕事中にカフェでサボることも増えました。わざと動かないんじゃなくて動けないんですよね。

好きだから食べているけど…

このときの記憶は少ないけど、過食は少しずつ始まっていたのかな。

帰社するとき、コンビニでスイーツを買って、デスクについたらおやつタイムがルーティンでした。

好きだから食べるし、それが「私っぽい」みたいに感じていたところもあります。だけど、気持ちとしては、ワクワク感や満足感よりも、

  • 食べなきゃやってらんない
  • 食べながら他のこと考えている
  • 味わって食べていない
  • 嫌なことに立ち向かうために食べる

みたいな状態だったんですね。

「これが美味しいんだよねっ!あぁー満足!よし元気出た!あと少しがんばろ!」

みたいな気持ちには、なりませんでした。

そんな状態で、冬になると、涙が止まらなくて出勤できなくなり。

本気で辞めることを考えたものの、上司の「期待している」の一言で思いとどまり、2年目を迎えます。

手あたり次第に買いまくる

2年目になると部署が変わり、水を得た魚のように成績は上がり、全国ランキングの上位に名前が載るようになりました。

その仕事ぶりから、いろんな社内プロジェクトに呼ばれ、実務以外の仕事も増え、3年目で昇進して役職が付きました。

仕事が激増した2~3年目の2年間。睡眠時間は平均3~4時間で、土曜日も出社して資料作り。

過食は経年増加をはじめ、日を追うごとに量が増えていきました。

過食症は物質依存です。これは時間が経つごとに量や頻度が増える経年増加の特徴があります。

夜、仕事が終わって帰宅する途中に、菓子パンやお弁当を手あたり次第に買ったり。

早く帰れた日は、ハンバーガーやドーナツをテイクアウトすることも。

一度に買う量はこんな感じ↓

  • ドーナツ20個
  • ハンバーガーのセット3人前+サイドメニュー
  • 菓子パン数個+お弁当2個

どんどん体感が薄まる

お店に入って商品を選ぶとき、

「美味しそう!」

「どれにしようかな~♡」

みたいなワクワク感はありません。

どうしても食べたいわけでも、それじゃなきゃいけないわけでも、ありません。

仕事中に溜まった気持ちを忘れたい

満たされない気持ちをごまかす

ストレス発散

そんな理由さえ、思い浮かびませんでした。

気分転換のはずだった甘いものを食べる行為も、どんどん体感が薄まっていき、大学時代と比べると、気持ちの変化も湧かなくなりました。

頭を使いたくないんです。なにも考えたくない。考えたくないから食べる。

気晴らしだから

思考をやめたいから食べるけど、セルフイメージは、楽しんで食べているんですね。

実際の自分ではなく、頭のなかで作り上げた「ももか」のイメージ映像があって、そこに意識が向きます。

で、そこにいる「ももか」は、口をいっぱいに広げて食べ、幸せそうにしている。

よくテレビで見る、美味しそうに食べる女の子になっている気分なんです。

気晴らしだから

好きなもの食べているから

食べたいもの食べているから

そう思っていたんです。

いま振り返ると、どうしても食べたいわけじゃなかった。選んでいるときも、いまの感覚でいえばトキメキもなかった。

だけど当時は、好きだから、食べたいから、そう思っていたんですね。

帳消し行為がエスカレート

このころから、帳消し行為もエスカレートしていきました。

帳消し行為とは、むちゃ食いのあとに、嘔吐や運動、下剤の乱用、絶食などで【なかったこと】にしようとする行為です。

見た目の評価に敏感だったので、太るのも許せませんでした。

明確に「太りたくない!」と意識していたつもりはなく、自分磨きの範疇で「ダイエットするのは当たり前」みたいな感覚でした。

新しい洋服を選ぶように、ダイエット方法を検索しては「痩せて可愛くなりたい」と思ってました。

K-popアイドルがカムバックで激やせしたとき拡散される、ビフォーアフター画像を見るのが大好きだった。

これを【痩せ衝動】と呼ぶことを数年後に知りました

私の帳消し行為

高校生のとき、心療内科で抗不安薬を飲んで副作用がひどかった経験から、薬には良い印象がなかったので。下剤には手を出さないと決めていました。

それをやったら終わると思ってた。

私のなかの成功体験は、大学生のときのプチ断食です。

食べなければ痩せるとわかっていたので、過食した次の日から2日くらい、ほとんど固形物を摂らないサイクルができあがりました。

さらにダイエットを強化したいときは、2週間グリーンスムージーだけで過ごしたこともあります。

味覚を修正するためだ!と、3日間断食して一切食べなかったときもあります。あと、1週間プチトマト生活とかね。

拒食症の話を聞くと、一切食べない骨と皮の姿を想像していたので。「私は食べているから違う」と思っていました。

食べていても、その背景に痩せ衝動があったり、気持ちの面で追い詰められているなら、それは健全な食べ方ではないんですよね。

ほかにも、私にとっての帳消し行為がありました。

  • 長時間の半身浴
  • ウォーキング
  • ヨガやダンス

どれも健康・美容のため、ストレス発散の趣味、と思ってやっていました。

もちろん、健全な人も取り入れる方法ですが。

「なぜ、それをやっているのか?」

「やらないと、どんな気持ちになるのか?」

という深層心理によって、まったく意味合いが変わります。

気持ちをコントロールできなくなる

さらに症状が悪化したのは、営業会社を辞め、大学時代の古巣であるアパレルブランドに転職したころです。

仕事中に急にイライラしはじめて、頭痛がするんですね。

なんでイライラしているのか、自分でもわからないんです。

周りのスタッフに対してなのか、仕事そのものに対してなのか。思い当たる理由がある気もするし、どれも当てはまらない気もする。

とにかく、前触れもなく急に、自分のなかで狂暴なナニカが叫んでいて

「どいつも!こいつも!」

みたいな、ひどい言葉も浮かんだり、笑顔を作る余裕もなくなる。

禁断症状が出てストックに逃げ込み、隠れてチョコレートを一気に食べ、何食わぬ顔で店頭に戻る。

食べている人が気になる

当時のことで、よく覚えているのは、お昼を食べるときです。

ひとりで食べるときも、他のスタッフと一緒に食べるときも、周りの人が何を食べるのか?どうやって食べるのか?とっても気になるんですね。

目の前で食べている人だけじゃなく、そのフロアで食べている人、一人ひとりが気になってしまう。

観察したいわけじゃないけど、どうしても意識がそこに向いてしまうんです。

休憩フロアでは、同じお店のスタッフ、他ブランドのスタッフ、いろんな人が食事をしています。みんな細くて可愛い。

ショップ店員って、意識高い系かと思いきや、意外と食事はジャンクな人が多くて。

毎日パスタを食べる人

毎日菓子パンを食べる人

毎日カップラーメンを食べる人

その食事で、なんでその体型?みたいな。羨ましいですよね。

なんとなく心で、

私も同じようになりたい

でも、私はこの人たちとは違う

と感じていたけど、意識しないようにしていました。

私も自分で選んだ食事をするんだけど、購入した次の瞬間には、周りで食べている人に視線が向いて

「美味しそうに食べてる。いいなぁ。私の選んだもの失敗だった?」

なんて考えちゃう。

パンケーキのはしご

次第に食べることが脳内を占領するようになりました。

毎晩、寝る前に日記を書くんですが、

どうやって食べる?

なにを食べない?

理想の食事方法は?

炭水化物は?

みたいな、食事に関することばかりでした。

添加物を避けて自炊をはじめたり、そうかと思えば、パンケーキの食べ歩きにもハマりました。ひとりでカフェをはしごして、2~3人前を食べるんですね。

ほんと、好きだし、毎日食べたいと思ってたいけど。

いま振り返ると、休日にずっと部屋でひとりでいると、夜中に発狂したくなる衝動に襲われてパニックになるので。

無意識にそれを避けるために、外出していたのかもしれません。

体重が減るのも怖い

私の特徴は、体重が減るのも恐怖だったこと。

痩せて可愛くなりたいと思いつつ、ガリガリで骨と皮だと可愛くない。

固形物を摂らないと2~3kgはスルっと減るけど、その数値を見ると、嬉しさと一緒に、強い恐怖もあったんですね。

痩せないと愛されないけど、痩せすぎても愛されない。

そんな方程式を握りしめていたんですね。

4kg痩せると「この先どうなっちゃうんだろう!?」という不安感の方が強かった気がします。

脳内でガリガリな女の子のイメージが浮かび上がって、「あんな風になったらダサい!」くらいに思っていたかもしれません。

だから体重は、一定の範囲を行ったり来たりでした。

過食のブログを見るけど他人事

ダイエットの延長で、拒食や過食関連のブログも見るようになりました。Twitterで過食垢を探してウォッチングしたり。

「仲間だ~」と思いつつ「私は違う」っていう他人事みたいな感覚だったんですね。

ネットで摂食障害の記事を読んでも、

  • 下剤使ってないから
  • 吐いてないから
  • 毎日じゃないから
  • 量をセーブできるときもあるから
  • この記事の人とは状況が違うから

みたいに思って。

だけど、苦しい気持ちや葛藤にはすごく共感できるから、もがいている気持ちの部分だけ「自分と同じ人だな」と感じていた気がします。

お金がないのに、むちゃ食いがやめられない

いよいよ生活に支障が出てきます。

お店に立っていても「食べなきゃ!食べなきゃ!」という声で脳内が埋め尽くされ、まったく集中できません。

閉店作業をしながら、コンビニスイーツやお弁当、スーパーのお惣菜、お菓子…といった過食用の食べ物が次々に頭に浮かんで、一刻も早く手にしたい気持ちになります。

経年増加しているので、お金があるときは、

ケンタッキーのパーティバーレル+単品で色々

ホールケーキ2個

高級スーパーで爆買い

などなど。量も金額も増えていきました。

所持金以上に食べ物を買う

ついにクレジットカードを使うようになりました。

この時期は、アパレルブランドを退職してフリーの道を模索しながら、バイトを2つ掛け持ちしていました。

朝4時から夜21時までとか、ずっと働いてた。

やりたいことをやっていると思っていたけど、がんばるほど心がすり減る。手帳を開くと予定で真っ黒で、窒息しそうに苦しくなる。

お金がなくて全財産50円くらいになると、さすがにヤバいと思うんだけど。

コンビニの前を通ると、身体を乗っ取られたように理性が吹っ飛び、半分意識がない状態で、手あたり次第にカゴに食べ物を入れるんですね。

最初はお金の計算をして所持金の範囲になるよう考えるけど、一度スイッチが入るとイライラした攻撃性の方が強くなり、

買うよ、食べるよ、これがいいんでしょ!もう!これでいいや!

みたいな雰囲気でカゴに入れて、クレジットカードで支払うようになりました。

そうやって手にした食べ物は、感謝や満足感に浸ることもなく、頭の声を静めるために口に詰め込んで終わり。残るのは虚しさ。

電池の切れたロボットみたいに、なんの感情も湧いてこない。

散らばったカップラーメンの容器やお菓子のゴミを眺めて、ボロボロ泣いていました。

だれか助けて。もう、何も感じたくない。

店員さんに見られるのが恥ずかしい

過食用の食べ物を買うとき、レジでお会計する店員さんに内容を見られるのが恥ずかしかった。

ひとりで全部食べるの?

こんなもの買ってんのかよ

太りそう

みたいに思われてそうで。。

変な人だと思われないかな?って、ビクビクしながら会計してた。

これって自分で自分に言っている言葉なんだよね。

食べているときの気持ちと反動

幸せな大食いと過食の違いは、食べているときの気持ちです。

幸せな大食いは、食べる前にワクワクして、充実感をもち、食べたあとは満腹感と満足感で満たされます。

過食の場合は、食べる前に緊張感とイライラがあり、むしろ食べないように言い聞かせます。

食べたあとは、大罪を犯したような罪悪感に飲み込まれてリセットしようとします。

食べると喜んでくれる

私にとって食べることは、他人を喜ばせる行為でもありました。

  • 美味しそうに食べると母が喜んでくれる
  • 「お肉が好きだ」と言うと親しみやすい印象になる
  • 口にたくさん入れてモグモグほおばる姿はウケがいい

ムリして演じているわけじゃなく。

そういう自分のイメージと一体化していて、本当に体と心が欲してるものが、わからなくなっていたんですね。

一人暮らし終了

ついにクレジットカードの限度額を超え、キャッシングも使い、家賃が払えなくなり、一人暮らしが続けられなくなりました。

家族と一緒に住むなんて、ぜっっっったいムリ!!と思っていたけど、しぶしぶ実家に戻ることになりました。

彼氏にはぜったい言えない

ちなみに、このとき彼氏がいたけど、過食のことは言えなかった。ぜったい言いたくなかった。

私のなかで「会ってもいい見た目の基準」があって、納得した状態じゃないと、会いたくなかったんですね。

むくみがひいて、お腹もスッキリして。

過食しているなんて(自分にとって)感じない状態にならないと、デートの約束ができなかった。

自覚と克服の決意

実家に戻ると、過食の量が減りました。やっぱり人目を気にするんですね。

家族にバレたくないから、お菓子を買い込むことはあっても、お惣菜やホールケーキなどは買わなくなりました。

克服しようと決意したきっかけは、小麦粉アレルギーになったこと。

いつもと同じように菓子パンを食べたら、次の日、顔が黄疸みたいに黄色くなったんです。

手足には赤くプツプツと蕁麻疹のようなものが出現し、とてもビックリ!

さらに以前のように食べる量を減らしても体重が戻らなくなってきて、「もう体が限界なんだ」と思ったんですね。(年齢のせいもある)

この時点では、過食を自覚したわけじゃなく、これまでのやり方だと理想の見た目を維持できないから、違う食べ方に取り組まなきゃいけない、という考えでした。

はじめてのSOS

自分の状態を確かめるため、過食症専門の機関をネットで探し、電話カウンセリングを受けることにしました。このとき、はじめて状況を細かく人に伝えたんですね。

  • 頻度
  • 金額
  • 継続期間
  • 体への影響

など。

そして「重度の過食症です。」と言われて、はじめて、自分の身に起こっていることを自覚しました。

は?なに?どういうこと?

治すために必要なことが書かれたメールが送られてきて。

その内容は当時の私にとって、耳が痛いことばかり並んでいたんですね。

こんな内容でした

あなたのなかにいる過食がなくなっては困るもう一人のあなたが、あの手この手で阻止してきます。

  • 疑似停止
  • 完治高揚
  • コントロール幻想
  • 防衛反応

癌のように命に関わる病気になったら、一日も早く治療を受けます。

摂食障害は命に関わることもある難病です。放置していると、いずれは生活のすべてを失う可能性のある重大な問題です。

自分ひとりで治せるという考えも症状のひとつです。

(実際は各項目ごとに詳しく説明が書いてありました)

もうショックを通り越して、わけがわからなかった。

は?なんで?どういうこと?

この人たち、騙そうとしているでしょ。お金が欲しいから、そういうこと言ってるんでしょ。

なんか怖い。

だけど、言ってることは正しいんですよね。

現実を確認するために、正しい知識をつけるために。摂食障害や依存症に関する書籍を読みはじめました。

そこには、私がいました。

克服のために取り組んだこと

ここで私の取り組んだことを紹介するけど、同じことをすれば治るというマニュアルではないので、気を付けてね。

一人ひとり、置かれている状況も症状も、過食する理由も違うはず。

なので、さらっと行きます。

  • 衝動が起きたら、10段階で大きさを記録
  • 衝動が起きる直前のできごとを記録
  • むちゃ食いしても自分を責めない
  • ダイエットをやめる

もっと細かく、いろいろ試行錯誤したけど。大きいところだと、こんな感じです。

友だち3人に打ち明けて話を聞いてもらい、衝動が起きてパニックなったら連絡することを了承してもらいました。

母には、衝動が起きて混乱した流れで打ち明けました。想像よりも冷静な反応で、逆に私の気持ちが冷めたけどね。

マグマを見ること

小手先のテクニックよりも、もっとも大切なのは「マグマ」を見ること。

どうやって食べるかよりも、なぜ食べるのか。食べることで、何を実現しようとしているのか。

食べることで、何を見ないようにしているのか?

どんな気持ちに、フタをしようとしているのか?

依存の力動

過食症は物質依存です。

依存(アディクション)は、複数の行為と絡まって力動的に発生していることがあります。

なので、食べる行為そのものにアプローチするのではなく、行為に隠された背景を見ることが重要になります。

スイッチング

一つの脅迫的行動をやめる代わりに別のタイプの強迫的行動が開始されること

マスキング

一つのあでじくしょんが他のアディクションの存在を覆い隠しているか、他のアディクションを正当化している状態

融合

複数のアディクションが存在しなければ効果を実感できないこと

儀式化

一つのアディクションが他のアディクションでみられる行動パターンの一部となっている状態

無感覚化

一つのアディクションに対する羞恥心が他のアディクションによって麻痺している状態

脱抑制

一つのアディクションが他のアディクションへに対する抑制を低下させてしまうこと

交替

一つのアディクションから他のアディクションへと移り変わっていくパターンが固定化している状態

強化

アディクション同士が相互に強化しあうこと

参考文献:愛着障害としてのアディクション

もういいんじゃない?

過食を克服する決意をして、試行錯誤を続けて1年半ほどたったとき。

「まだ食べちゃう。まだ20%くらいは残ってる。1日たりとも、1回たりとも、感情的に食べてはいけない」みたいな思考があったと思います。

だけど、ある日ふと「もういいんじゃない?」という声が、お腹のあたりから湧いてきたんですね。

いつものように、食べてしまった自分を責めていたときでした。

普通の人だって、うっかり食べ過ぎることもある。

ついつい手が止まらなくて、食べ過ぎて気持ち悪くなることもある。

いやなことがあったら、やけ食いすることもある。それでいいじゃない。

いつも完璧な食事ができなくても、たまに思い通りにいかなくても、それでいいじゃない。

そう思ったら、自然と泣いていました。

8年も一緒に過ごしてきたので、過食のない生活を想像できませんでした。

振り回されてつらくて消し去りたいのに、悪い関係だってわかっているのに、離れるのも怖い。

そんな関係だったんです。

なんだか卒業式で友達と別れて、別々の道を歩むような感覚でした。

現在の状態

このときから3年経ち、現在は食べることへの執着がほとんど、なくなりました。

アルコールやギャンブルと違って、食べる行為はゼロにできません。なので、克服のカタチは人それぞれだと聞いたことがあります。

ただ、脳の回路自体が変わってしまうため、元通りになるのではなく、症状を抑え続けて、出ない状態をキープする寛解(かんかい)になります。

私は精神科に通わずに乗り越えたので、あくまで自己判断ですが克服したと思っています。食事への罪悪感は、限りなく小さいものになりました。

この記事を作るにあたって日記を見返したら、食べることに関する話は、まったく出てこなくなっていました。

心と体の声に従って生活し、体重は9kg減ってキープしています。

たしかに、洋服を可愛く着れるし、人からも「痩せたね!」と言われるけど。

それよりも、頭のなかの強迫的な声がなくなったことの方が、はるかに嬉しい。

とつぜんのイライラとか、食べなきゃ!っていう声が影を潜め、自分を応援したり、優しくなぐさめる声の方が増えました。

たまに気晴らしにお菓子パーティもするけど、そのあとに体を引き裂きたい衝動に駆られることもありません。

思う存分食べたから、まぁいっか。

明日は少し控えようって考えて、次の日セーブするけど。だれかのためじゃなくて、自分の心と体が心地よく過ごせる状態にするため。

そんな感じの日々を過ごしています。

摂食障害が教えてくれたこと

過食症は、食べられちゃうので、見た目でつらさが伝わりません。

骨と皮だけのガリガリな姿になれば「何かがオカシイ」と周りもわかるし、命に関わる危険が迫っていると心配もしやすい。

世のなかにはメタボな人がたくさんいて、外食産業も盛んで、食べることで苦しんでいる人がいることは理解されにくい。

世界には食べるものがなくて飢え死にする人がいるのに、食べ過ぎちゃうことで悩むなんて、ぜいたくだ。そんな考えも、あるかもしれません。

だけど、むちゃ食いをくり返す人の心は、見た目からは想像できないほどボロボロに傷ついて空っぽです。

体に食べ物という物体を押し込めて、心はスカスカの栄養失調なんです。

食べるという行為だけ見ていては、心の声までたどり着けません。

本当に取り組むべきは、食べることで自分を孤独な状態に陥れる「あなたの心」です。

太りすぎても、痩せすぎてもダメ。

苦しいけど、ほかの方法がわからない。

がんばらなきゃ。

頼ったら負けだ。

でも、むり。

私は、過食症という摂食障害を通して、物や行為でフタをした「心の声」に耳を傾ける大切さを学びました。

寂しさ、恐怖、悲しみ、劣等感

こうした感情にフタをせずに受けとめること。

そして、人に伝えること。

切り捨てた自分自身を拾い上げ、大切に抱きしめること。

むちゃ食いは火山の噴火です。

火山が噴火するには、その下に必ずマグマが埋まっています。マグマがフツフツと煮えたぎり、オーバーヒートしてしまう感覚に気づくことが大切です。

だけど、ひとりでは、できることに限界があります。

もし、あなたが、ひとりで抱えて悩んでいるなら。私に話してみませんか?

もう十分ひとりでがんばってきたから。

少しだけ、私にも教えてもらえませんか?

私は医療行為はできないし、あなたが本当に摂食障害なのか診断もできません。

だけど当事者として、乗り越えてきた経験者として、お話できることがあるかもしれません。

それから気質・性格の視点から、もって生まれた性質を紐解き、ものの見方や感じ方の傾向を探っていくことができます。

よかったら、考えてみてくださいね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

個人的にオススメしたい摂食障害の専門家

水島広子先生

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この記事を書いた人

ばば ももかのアバター ばば ももか 心理カウンセラー

高共感体質の生きづらさ専門カウンセラー
このサイトは個人的な記録用の雑記ブログ。
ジャガイモが好きで雨に弱い。

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