健全な境界線とは、状況に応じて柔軟に調整しながら、自分と相手の心地よい距離感を保つものです。
これは3つのステップで作れるので、ご紹介しますね。
健全な境界線を作る3ステップ
健全な境界線は、次の3ステップを踏むことで作られます。
ポイントは、ステップ1から順番にクリアしていくことです。
いま、境界線が引けていないと感じる人は、どの段階でブレーキがかかっているか確認してみてください。
ステップ1:自分と他者は「違う」と知る
まず、「私とあの人は違うのだ」と知ることが最初のステップです。
大きくは、両親ですね。
- 小さいころから当たり前だと思っていた習慣
- 成功や幸せの定義
これらが、あなたが心から望んだ基準なのか、振り返ってみましょう。
もしかしたら、「両親とは違うモノサシを採用したい」と思っているかもしれません。
それから、学校の先生、上司、友達…周りにいる人と自分は違う感覚を持っているのだ、と意識しながら観察してみてください。
ステップ1は『分離』を体感する時期なので、寂しさが湧いてきたら、1歩進んだ合図です。
ステップ2:欲求をジャッジせず開放する
次に、思いついた「やりたいこと」は、どんどん実行していきましょう。
- 食べたいものは全部食べる
- 疲れたら空気を読まず中断する
ステップ1で自分の基準を採用していいと知ると、感情が溢れ出てきて、突然エネルギーがみなぎってくる感覚になります。
ステップ2は『練習』の時期なので、エネルギーはあるけど、衝動を抑えられず、感情に境界線がない状態を体感します。
多少の波風や、失敗もしながら、周りに迷惑をかける練習をするのです。
そのとき、湧いてきた欲求をジャッジして「これはOK」「これはNG」と、中途半端に抑え込むと、不完全燃焼になるので。
全開放を意識して思い切り取り組むのがコツです!
ステップ3:自分と相手の陣地を意識する
最後は、自分と相手の陣地を意識しながら、人と接していきます。
ステップ3は、人との関係を『再生』していく時期です。
少しずつ、人に歩み寄っていくことを意識しましょう。
もう境界線の基礎はできているので、微調整していくイメージです。
- できること
- やりたいこと
- 求められること
という3つの視点から、目の前の出来事を観察して、必要に応じて「はい」「いいえ」を提示します。
ステップが完了しない=境界線の問題
3つのステップが完了していないと、境界線の問題として現実に現れます。
書籍『境界線(バウンダリーズ)』では、4パターンを挙げています。

- 「いいえ」と言えない、迎合的な人
- 「いいえ」を受け入れない、支配的な人
- 「はい」と言えない、無反応な人
- 「はい」を受け入れない。回避的な人
「いいえ」と言えない人は、許容することで守るタイプです。罪悪感から他者の侵入を許してしまいます。
相手の「いいえ」を受け入れない人は、攻めることで守るタイプです。強引に他者の境界線を乗り越えます。
「はい」と言えない人は、深入りしないことで守るタイプです。他者に無関心で責任から距離を置きます。
「はい」を受け入れられない人は、逃げることで守るタイプです。好意を寄せられても素直に答えられなかったりします。
健全な境界線は自分も他者も守る
境界線が適切なものであれば、お互いが心地よく過ごせる関係が築けます。
健全な境界線とは、自分だけでなく、他者も守るんですね。
自分が傷つく、相手を振り回す、というのは境界線が作られていない状態なので。
3ステップをしっかり踏んで、1つずつクリアしていけば、おのずと自分らしい人間関係が実現しますよ。
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