人と境界線を引くことに抵抗がある人は、それが『凶器』になると思っています。
相手の要望を断るのは、自分勝手で傷つける行為だと感じてしまいますが。
実際は、自分も相手も守る手段なのです。
境界線への抵抗チェック
あなたは、境界線を引くことに抵抗を感じていませんか?
次に挙げた8つの項目に、どれくらい当てはまるかチェックしてみてください。
●境界線を引くのは自分勝手だ
●境界線は反抗の現れである
●境界線を引き始めると、人に傷つけられる
●境界線を設定すると、他人を傷つけてしまう
●境界線を意識すると、怒りっぽくなる
●他者が境界線を設けると私が傷つく
●境界線は罪悪感を生む
●境界線は一度引いたら撤回できず、他者とのつながりを切ってしまうのが恐い
これらは、境界線に対する思い込みです。
境界線とは、居心地の良い人間関係を作り、自分を適切に守るものなのです。
境界線が人を傷つける?
他者との間に境界線を引いたとき、相手から
「あなた変わったね。もう私のこと好きじゃないの?」
「態度冷たくなったよね」
と言われて、傷つけてしまった…と罪悪感を抱くかもしれません。
では、本当に相手は傷ついているのでしょうか?
よく観察してみると、境界線を引いたときに嫌な顔をする人は、普段から文句が多かったり、怒りやすかったりします。
相手は反射的に言葉を発しただけで、あなたの態度自体は深く気にしていないかもしれません。
ということは、境界線と人を傷つけることは、必ずしも一致しないと言えます。
抵抗する感情に気づく
境界線は、自分と相手を適切な距離に設定し、お互いが心地よく関係を続けていくための機能です。
限界を設定するときに、次のような感情を抱いていないか確認してみてください。
●相手の感情を傷つけることへの恐れ
●見捨てられたり別れたりすることへの恐れ
●他者に完全に依存したいという願い
●他者の怒りに対する恐れ
●罰せられることへの恐れ
●恥をかくことへの恐れ
●悪人または自分勝手と思われることへの恐れ
●道徳的ではなくなることへの恐れ
●(行き過ぎた)自分の良心への恐れ
まずは、これらの感情を『持っている』と自覚することが大切です。
「あぁ、私は母の要望を断って、見捨てられるのが恐かったんだな」
「上司の依頼を断ったら、仕事できないと思われそうで恥ずかしかったんだな」
という感じで、ただ気づく。
感情は、無理に変えようとせず、湧いてくるままに味わい尽くすことで、自然と落ち着く仕組みなので。
境界線に対する抵抗も、気づいて感じ切ることで、自然に行動する勇気が湧いてきます。
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